イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「どっちもいやです」

そんなの選べるはずがない。私は悩みもせずに即答する。

「それはなし。どっちか選んで」

こちらを見下ろし答えをせまるスミレさん。すこし目が座ってる気がする。

「スミレさん、酔ってますね?」
「酔ってないわよ」
「酔っぱらいは酔ってないって言うものです」

私がそう言うと、スミレさんはぱちぱちと瞬きをした。

「え、そうなの? じゃあ酔ってる」
「やっぱり酔っぱらいですね」

うなずいてため息をつくと、「今のは卑怯な誘導尋問だ!」とスミレさんが怒り出す。

「誘導尋問じゃないですよ。実際酔ってるじゃないですか」

酔ってる上におもいっきり絡み酒だ。
スミレさんが飲んで陽気になるのはいつものことだから慣れてるけど、自分の恋愛のことを突っ込まれるとどうしていいのかわからなくなる。

ここは酔っぱらいのスミレさんをうまくはぐらかして今日はもう帰ろう。なんて思っていると、スミレさんがまた身を乗り出してきた。


 
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