イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「スミレさん! なに笑ってるんですか!」
私はこんなに落ち込んでるというのに、人の話を聞いて笑うなんて!
「だって、佳奈ちゃんかわいいんだもん」
「かわいくないですっ!!」
今の私の情けない体験談のどこにかわいさがあったんだ。
「きっと窪田くんも、かわいいなぁって思ったと思うよ?」
「そんなわけないです! きっとめちゃくちゃ怒ってますよ」
来週、会社で顔をあわせたら、どつかれるかもしれない。
あれだけ容赦なく枕で殴ったから、百倍返しされるに違いない。
一体どんなひどい目に合わされるのか。
想像するだけで身震いする。
「……へぇ、佳奈ちゃんが窪田にねぇ」
私が両手で自分の肩を抱いて震えていると、背後から低い声がした。
きょとんとしてふりかえると、ソファに寝ころんだ男の人が苦笑いしていた。