イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「スミレさん! なに笑ってるんですか!」

私はこんなに落ち込んでるというのに、人の話を聞いて笑うなんて!

「だって、佳奈ちゃんかわいいんだもん」
「かわいくないですっ!!」

今の私の情けない体験談のどこにかわいさがあったんだ。

「きっと窪田くんも、かわいいなぁって思ったと思うよ?」
「そんなわけないです! きっとめちゃくちゃ怒ってますよ」

来週、会社で顔をあわせたら、どつかれるかもしれない。
あれだけ容赦なく枕で殴ったから、百倍返しされるに違いない。

一体どんなひどい目に合わされるのか。
想像するだけで身震いする。

「……へぇ、佳奈ちゃんが窪田にねぇ」

私が両手で自分の肩を抱いて震えていると、背後から低い声がした。
きょとんとしてふりかえると、ソファに寝ころんだ男の人が苦笑いしていた。


 
< 45 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop