イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「い、痛い痛い痛いっ!」

痛みのあまり叫ぶスミレさんに、川口さんの容赦ない説教が続く。

「お前は酔っ払って無責任にかわいい後輩をけしかけてるんじゃねえよ! 少しは反省しろ!」
「わかった! 反省してるからっ!」
「あと酒癖悪いのも自覚しろ!」
「自覚するから、放して……っ!」

スミレさんが絶叫しながら謝ると、ようやく両手が離された。
へなへなとテーブルにつっぷしたスミレさんを見下ろして、川口さんがため息をつく。

「佳奈ちゃん、ごめんな。こいつが本当に余計なことを……」

私に向かって真剣な表情で頭を下げそうになった川口さんに、慌てて首を横に振る。

「いえ! スミレさんが悪いんじゃないんです! 全部自分で決めて自分でしたことなので」

私なんかのせいで、スミレさんが彼氏に叱られるのは申し訳ない。
スミレさんはかわいげのない後輩の私にも優しくしてくれる、素敵な人なのに。


 
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