イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
そして、次の金曜日。
意気込んでやってきた拓海の家。
慣れない料理に四苦八苦してようやく出来上がった夕食。
リビングのローテーブルに並んだお皿の上にある物体を見て、拓海は片方だけ眉を引き上げた。
「なんだこれ」
その問いかけに、私は口ごもる。黙秘権をつかえるなら、このまま一生口を閉じたままでいたい。
だけど、黙り込んだ私に容赦なくつきささる冷たい視線が痛くて、しぶしぶ口を開いた。
「愛情たっぷりの家庭料理……」
「は?」
私の言葉を一言でばっさりと切り捨てる。
「これ、食べ物なのか?」
「うぅ……」
そんな失礼な問いかけに反論もできずにうつむき続けるわけは、私も目の前の物体が食べても安全なのものなのかどうか自信をもてないからだ。