イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
可愛げも面白みもなく、地味で口うるさくて恋愛下手で、しかも料理のセンスもゼロって。欠点だらけの自分が情けなくなってきて、うつむいたまま鼻をすすった。
「……ま、しょうがねぇか。お前、料理なんて作ったことないって言ってたもんな」
こんなまずそうな料理を作ったんだから、ひどく罵られるかとことんからかわれるかと思っていたのに。拓海はさっぱりとした口調で言った。
「しょうがないって……」
怒らないの?
不思議に思って顔を上げると、拓海は箸を持って「いただきます」と手を合わせる。
「ほら。温かいうちに食べるぞ」
ぽかんとしている私にそう言って、酢豚らしきものに箸を伸ばした。
「え……?」
食べてくれるの? 大嫌いな酢豚の上に、こんなにまずそうなのに?