イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
逸る脈拍
会社で仕事をしていると、営業部から出された書類に不備があることに気が付いた。
出張費の申請書の日付が間違ってる。
締め日をまたがった書類だから、ちゃんと確認しないとだめだ。
ついでに印刷会社から出来上がった名刺も届いてるし、直接行って確認してこようかな。
そう思って立ち上がった。
「営業部に行ってきます」
書類と名刺が入った箱を持ち、上司に声をかけて歩き出す。
途中、廊下で他部署の女子社員とすれ違った。
ネイビーのベストにタイトスカート、そして白いブラウスに胸元にはワインレッドのリボン。
楽しげに話しながら歩くふたりの女子社員に思わず目を奪われる。
スカートからすらりとのびる足や、胸元で綺麗な形に整えられたリボンや、肩の上でふわりとゆれる明るい色の髪。
なんだか、ふたりが通った後は空気がキラキラしてみえる。
支給された制服は同じはずなのに、どうしてこんなに違うんだろう。