初詣をあなたと
初詣をきみと。~男子side~
早くしないと始まってしまう、冬休みが。
早く言わないと行ってしまう、君が。
下校の時刻になり、いつも通り、君が仲のいい子同士で話しながら帰ろうとしている。
この機会を逃してしまったら、冬休みが始まり、どうしようもなくなる。
こんなそわそわしている俺と、彼女とはどういう関係か、と問われれば次の通りだ。
よく遊ぶ友達グループ。
しかし、学校の中で会話をしたことは、ほとんどない。
俺の親友が、ある女子と仲良くなったそうで、その女子の友人が彼女だった。
だが、俺はほとんど関わったことがない。
なぜなら、この4人に更に愉快な仲間たちが加わり、7、8人で集って出かける。
そんな仲だからだ。
積極的な子たちは、自ら連絡先を教えてくれた。
しかし、彼女だけは違った。
どこか落ち着いた雰囲気で、少し大人びている風に俺からは見えた。
自然と俺は惹かれた。
にも関わらず、未だに彼女の連絡先すらも知らずにいるのだ。
意を決して、君に歩み寄る。
「ごめん、ちょっといい?」
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