初詣をあなたと
声をかけた君は、少し驚いた顔をして、え、と小さく言った。
目線をこれだけぴしっ、と合わせているんだ。
相手の女子3人も、俺の目当てを察してくれた様だった。
じゃあ、下で待ってるからー、とニヤニヤしながらそう言って、気を使ってくれた。
少し申し訳ない。
「えっ、ちょっと待ってよ!」
そんな風に彼女は、大きな声で呼び戻そうとしている。
しかし、彼女の友人らは、顔の横でファイト!と拳を作り、教室を出ていった。
どうやら、俺の気持ちをわかってくれたらしい。
改めて、視線を君へと戻すと、少し青ざめた様な顔色をしていた。
さっきからの反応といい、もしかしなくても、俺、嫌われてる?
でも、そんなことは構うまい。
当たってもいないのに、砕けるなんて有り得ない。
俺にあるまじき行為だ。
とりあえず、前向きな姿勢で向かっていくとしよう。
「正月、会いませんか!!」