初詣をあなたと
目が合ったと思えばまた逸らされ、ショックを受けていると、彼女から話し出してくれた。
今まで、俺が一方的に会話を始めていたのに。
「そういえば、何をお願いしたの? 聞いてもいい?」
「えっ…?!」
聞かれて、これは彼女が俺にタイミングをふってくれたんじゃないか、そんなことを思った。
かと言って「神様と友達のノリで、君のこと相談にのってもらっていた」なんて言えるわけがない。
こんなのウケるか、すべるかの2択しかない。
まあ、すべることの方が確率は高い、とは思うが。
しばらく思い止まっていると、また彼女が口を開いた。
「やっぱり、無理して言わなくていいよ。ごめんね」
「えっ……それはそれで、なんかさ……」
聞いておいて、やっぱりいい、と言われると、むしろ言いたくなる。
決心をして、君の顔をじっと見る。
この短時間で、心の準備をしようとしているのだ。
それにしても、やっぱりかわいなあ。
顔が熱くなる一方で、内心ではそんな呑気なことを考えていた。
なんかこのやり取りだけで今年一年、幸せにやっていけそうな気がするぜ。
初詣をきみと。~男子side~