初詣をあなたと
初詣をあなたと。~女子side~
年が明けた。
今までと同じであるなら、企業名と、それぞれの学校の名前を背負って走る、テレビの中にいる大学生たちの勇姿にエールを送っていた。
しかし、今年の私はとてつもなく寒い、外にいた。
私の前に、大きく立ちはだかる鳥居。
私の隣に立つ、ただの同級生の男子。
グループで何度か遊ぶことはあったけど、二人きりは今回が始めて。
何故か私は突然、この男子に初詣でに行こう、と誘われたのだった。
元旦ということもあり、凄い人で混み合っている。
この人混みをかき分けて進むのに、心の準備をした時、彼が不意に私に声をかけた。
「手、繋いでいかない? 不安だから」
え、と私が呟くと同時に、手首から引っ張られた。
何が不安なのか。
そんなにも私が頼りない、そう言いたいのか。
そう思うと少し、複雑な気分になった。
でも、不安だと言って握った彼の手に、私は安心していた。
その手は、熱いくらいに暖かった。