彼の甘い包囲網
「……楓のそういう無自覚なとこが俺には一番こたえるんだよ。
キスくらい貰ってもバチ当たんないだろ」
そう言って再び奏多は熱でけぶる瞳をゆっくり閉じて、私の唇の輪郭を舌でペロリと撫でて。
何度も私に口付けた。
甘く優しいキス。
私は何にも言い返せずに。
奏多のカットソーをただ握っていることしかできなかった。
ねえ、奏多。
どうしてそんなキスをするの。
どうして私をそんなに大事にしてくれるの。
奏多は私をどう思っているの?
私は奏多の何?
肝心な、一番聞きたいことはいつも喉の奥で止まってしまって。
言葉にならない。
同じ言葉を奏多からぶつけられたら。
私は奏多にどう返したらいいのだろう。
何を言えばいいのだろう。
奏多はそれをわかっているのか、私に言葉を求めないし、聞いてこない。
聞く必要がないと思っているのか。
曖昧なままで。
私達の関係は歪に成り立っていると思うのは私だけだろうか。
……私達はいつまでこのままでいられるのだろう。
キスくらい貰ってもバチ当たんないだろ」
そう言って再び奏多は熱でけぶる瞳をゆっくり閉じて、私の唇の輪郭を舌でペロリと撫でて。
何度も私に口付けた。
甘く優しいキス。
私は何にも言い返せずに。
奏多のカットソーをただ握っていることしかできなかった。
ねえ、奏多。
どうしてそんなキスをするの。
どうして私をそんなに大事にしてくれるの。
奏多は私をどう思っているの?
私は奏多の何?
肝心な、一番聞きたいことはいつも喉の奥で止まってしまって。
言葉にならない。
同じ言葉を奏多からぶつけられたら。
私は奏多にどう返したらいいのだろう。
何を言えばいいのだろう。
奏多はそれをわかっているのか、私に言葉を求めないし、聞いてこない。
聞く必要がないと思っているのか。
曖昧なままで。
私達の関係は歪に成り立っていると思うのは私だけだろうか。
……私達はいつまでこのままでいられるのだろう。