彼の甘い包囲網
「ン~、でもそれってお互い様なんじゃないの?
っていうかそんなに執着されてるのにわからないって……楓ちゃん、鈍すぎない?」
鈴ちゃんにバッサリ言われた。
「だ、だってちゃんと言ってもらったことない……!」
「だから、楓も言わなきゃわかんないでしょうが。
何回同じ話をしてるのよ。
楓はどうせ蜂谷さんが大事にしてくれるのを勘違いしてるとかただの執着だ、とか流されているだけでこれは好きではないとか、うだうだ言うんでしょ?」
紗也は的確に指摘する。
項垂れる私に、鈴ちゃんは盛大に溜め息を吐いた。
「……何で二人ともそんなに意地っぱり?
意気地無しなの?
ただのドM?
……蜂谷の御曹司って確かスッゴイ女あしらいが上手いって評判だったのに」
「……それ系の話は私も聞いた。
女には不自由しないけど特定の女はつくらない主義、とか。
それでも彼に憧れて一夜の関係を求める女は耐えない、とか」
「ええっ!?」
驚いて二人を見ると、鈴ちゃんはニッコリ笑った。
「有名な話だからね」
見事なまでのドヤ顔で言われた。
「真っ赤な嘘ってわけではないんじゃない?」
紗也も頷く。
「でも、楓ちゃんの話と違いすぎてるからさ。
御曹司ってもう一人いるの、って疑いたくなる……」
机につっぷする鈴ちゃん。
対する私は、紗也と鈴ちゃんに言われたことがグルグル頭をまわっていた。
っていうかそんなに執着されてるのにわからないって……楓ちゃん、鈍すぎない?」
鈴ちゃんにバッサリ言われた。
「だ、だってちゃんと言ってもらったことない……!」
「だから、楓も言わなきゃわかんないでしょうが。
何回同じ話をしてるのよ。
楓はどうせ蜂谷さんが大事にしてくれるのを勘違いしてるとかただの執着だ、とか流されているだけでこれは好きではないとか、うだうだ言うんでしょ?」
紗也は的確に指摘する。
項垂れる私に、鈴ちゃんは盛大に溜め息を吐いた。
「……何で二人ともそんなに意地っぱり?
意気地無しなの?
ただのドM?
……蜂谷の御曹司って確かスッゴイ女あしらいが上手いって評判だったのに」
「……それ系の話は私も聞いた。
女には不自由しないけど特定の女はつくらない主義、とか。
それでも彼に憧れて一夜の関係を求める女は耐えない、とか」
「ええっ!?」
驚いて二人を見ると、鈴ちゃんはニッコリ笑った。
「有名な話だからね」
見事なまでのドヤ顔で言われた。
「真っ赤な嘘ってわけではないんじゃない?」
紗也も頷く。
「でも、楓ちゃんの話と違いすぎてるからさ。
御曹司ってもう一人いるの、って疑いたくなる……」
机につっぷする鈴ちゃん。
対する私は、紗也と鈴ちゃんに言われたことがグルグル頭をまわっていた。