幸せになってね……。
 みゆきの誕生日まで、あと一日。

 僕はみゆきへ送るプレゼントを考えていた。

 どんなものがいいか、一度みゆきに聞いた事がある。

 でもみゆきは、ただ首を横に振って笑顔でこう答えていた。


『私は……何もいらないよ。空が……空だけがいれば』


 それは一番嬉しい言葉。

 でも、一番辛い残酷な言葉。

 僕もみゆきのそばにいたい。

 ずっと、みゆきの隣で歩いていたい。

「でも……それも、叶わないみたい。時間が……ぐっ!」

 身体がまた、痺れてきた。昨日から、身体が軽く感じる時がある。

 痛みも苦しみもない感覚。

 とても楽な感じ。

 でも、ありえない事。

 もし、それを認めてしまうと僕は終わりだろう。

 だから今だけは認めたくない。

 せめて明日までは、ここに居させて欲しい。
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