秘書室長と鉄壁女子の攻防戦
「部長、明日の打ち合わせの件ですけど…」
あれから急ピッチでランチを食べ終えて、メイク直しもそこそこに、開発部のフロアに戻った。
私、倉橋園子(くらはし そのこ)は開発部に所属している。
開発部は総勢20名で、そのうち3名が事務。
私も事務のひとり。
社会人2年目の私は開発部では一番下っ端。
雑用は全て私がこなしている。
そして、開発部のトップである部長のスケジュール管理も任されている。
事務というよりも、秘書って感じがする。
基本的に面倒なことが嫌いな私が秘書なんて、全くもって柄じゃないけど、仕事だから仕方がない。
「明日の打ち合わせ、社長も同席することになったから」
パソコンの画面を食い入るように見ながら、部長はさらりととんでもないことを言ってのける。
「社長も同席するんですか!?」
そんなこと、聞いてない。
まぁ、今言われたけど。
「さっき秘書室から連絡あって、そういうことになったらしいよ」
マジですか…。