「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日

あー本格的に迷子になったなー。
きっとお母さんとか学校に連絡してるんだろうなー。
まあいいや、もう、いいや。

もう難しいことは考えない。
御崎がいなくなったことでわたしの世界は全て壊れたのだ。
これ以上壊れようと、もう元に戻れないことは明瞭なのだから、どうでもいい。


「あー、つっかれたあ」


わけのわからない叫びと共に、両手を空のほうに伸ばす。
筋肉痛の肩がみしみしと痛んだ。
だけどそれが少し気持ちいいような気がする。なに、わたし、マゾだったの。

空には雲が少しだけ現れてきて、だけど太陽は見えているので曇っているわけでは……ない。
まともに理科の授業を受けていないのでよく分からないけど、日差しがあるし曇っているわけじゃないんだよね。
雨のふりそうな感じはしないし、それに雲あってこその空だとわたしは思う。うん。

ぼんやりと、空を見上げる。
もう少し伸びをすれば、雲が掴めそうな気がした。
現実的には有り得ないけれど。

やはり空は青くって、自分まで青に染まりそうな気がしてきた。
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