「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「あら、美里」
「ん?」
「その目、どうしたの」


そう言われ目元に手をやる。
だけど何も違和感はない。
どうしたというのだろう。


「腫れてるわよ。どうしたの」


心配そうな顔をしたお母さんがわたしに手鏡を渡した。
わたしは素直にそれを受け取ると、自分の顔を映す。


「……本当、だ」


わたしの目は見るも無残なほどに腫れていた。
そういえば、心なしか目元が空気に触れてひりひりしているような気がする。

恐る恐る目元を触れ、その腫れ具合を確かめる。
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