「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
そうだ。
まだ御崎は生きている。
早く助けなきゃ。
わたししかいないんだから。
御崎を助けられるのは!


たくさんの感情がせめぎあう。
そんなとき、ふとあの男の言葉が頭に浮かんだ。


〔あなたが過去にいられるのは四時間です。今から「昨日の午前八時」にあなたをおくります。ですから、あなたが過去に存在していられる時間は十二時まで。十二時になったらあなたの命は消滅します〕


わたしはここに四時間しかいられない。
そして十二時になったらわたしという存在は消えてしまう。

いつもの習慣で手首につけている腕時計の長針は二十を指している。
焦燥感がわたしの中にあふれてきて、わたしは勢いよく立ち上がった。
いきなりのわたしの行動に驚いたのか、お母さんが何なのよと声をあげた。


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