「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「どうしたの、今日の美里変よ」
「そんなことない、いつもどおりだよ」
「そうかしら」
ふふふ、とおかしそうに笑うお母さんを見て、ちょっと安心した。
わたしがいなくなっても大丈夫みたい、なんて。
そんなわけないのにね。
わたしに笑いかけてくれてるんだから、そんなわけあるはずなのにね。
こんな不甲斐ない娘でごめんなさい。
だけど人を救うためだもの。
わたしの変わりに御崎が救われるの。
プラスマイナスゼロだからオッケーだよね?
いや、プラスになるよ。
だって御崎のほうが、世間に必要とされているもの。