「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日

...2

御崎と知り合ったのは一年前のことだ。
たまたま隣の席になったのがきっかけで、馬があったのかわたしたちは急に仲良くなった。

昨日のバラエティー番組の話だとか、担任の悪口だとか、とにかく御崎と色々なことを喋った。
友達として一緒に笑い合い、時には喧嘩をして、愚痴を言いあって、励ましたり、励まされたり。
別にどうってことない話をするその瞬間が、わたしは途轍もなく好きだった。

そんなわたしが彼に対して恋をしていると知ったのは、随分と経ってからだった。

半年後の席替え。
くじ引きでわたしと御崎は全く違う場所へと移った。

そのときに心を過ぎった、体の底を渦巻く感情。

いやだ。
行かないで。
わたしの傍にいて。
他の子と喋らないで。

誰にも御崎は渡さないと、疼く独占欲。

「わたし、……好きなんだ」

御崎のことが。

< 5 / 100 >

この作品をシェア

pagetop