「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「……どう、して」
あのとき、ちゃんと家に帰るって言ったじゃない。
絶対だって、約束だって、言ったじゃない。
それなのに今家の外にいるっていうのは……おかしいじゃない。
どうして?
せっかくすっきりしたまま逝けると思ったのに。
約束、破るのよ。
「あのな、美里」
「いやっ」
思わず否定の声が漏れる。
はっとして口を押さえたときにはもう遅い。
御崎は呆れたように溜め息をついていた。