「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
醜い感情。
それを纏いながら毎日御崎を見つめていた。

席が離れたから、会話もめっきり減った。
だけど関係はまだ健在しているようで、目が合うと微笑んでくれたり、たまに話しかけてくれたりした。

嬉しかった。
御崎と会話できることが。
だから告白なんてしたくなかった。


この幸せを、壊したくなかったから。


告白、しておけばよかった。
御崎が生きている内に、しておけばよかった。
この関係が崩れようが爆発しようが、有りのままの自分の気持ちを伝えればよかった。

後悔が体を駆け巡る。

御崎はあまりにもあっさりと逝った。
昨日の夜御崎のお母さんから電話がかかってきて、御崎がトラックに撥ねられ死んだのだと知らされた。

ショックで、涙も出なかった。
いや、出そうになったのだけど、その現実を受け入れたくなくて、一生懸命涙をおさえた。

だけどしばらくするともう限界で、夜通し泣いてしまった。
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