「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「ばか言え。お前、俺がいなくても、いつも笑ってたじゃん。大丈夫だって」
「大丈夫じゃない! 御崎がいたから、今のわたしがいるんだよ? それなのに、こんなことってない!」
違う違う違う。
今のわたしを作ったのは御崎だ。
消極的なわたしに話しかけて、色んな人と触れ合わせ、人に慣らしてくれた。
御崎がいなかったら、わたしはあのままだった。
楽しさを知らずに窓の外を見つめるだけだった。
ただ時間が過ぎるのを待つだけだった。
いつまでも、わたしは変れずにいたはずだ。
わたしの中で、御崎の存在はどれだけ大きかったのか。
御崎は何も知らないのね。