「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
それから段々と御崎と喋るのが楽しくなってきた。
御崎とならば、気軽に話せた。
だけど他の人になると、怖くてまた俯いてしまう。

そんなわたしを見兼ねてか、御崎がわたしのもとに幾人かの子を送りつけてきた。


「こんにちはっ、わたし小林遊里! 雄一から聞いてやってまいりましたー!」
「わたしは鈴江奈々。御崎が言ってたとおり、可愛いねぇ」


いつもは避けていた派手な女の子たち。
くどい話し方とか、香水の匂いとか、短くしたスカートとか、そんなものにいつも劣等感を覚えさせられて、苦手だった。
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