「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「雄一が言ってたとおり。なんでそんなにもつまんなそうなの。友達がいないから?」
「え、あの、……そういう、わけじゃ」
「じゃあなんで? まあ御崎といるときは楽しそうなんだけど。それじゃあ駄目だよ。御崎が迷惑しちゃうでしょ」
「……そんなの、分かって」
「いないよ。分かってない。いい? 豊橋さん」


壁に突きつけられて、怒られるんだと思った。
わたしが御崎に迷惑をかけているから、この子たちは怒りにきたんだと。

だけど、違った。


「わたしたちが、雄一がいなくても笑えるようにしてあげる」


にっこりと笑いかけられた。
一緒に頑張ろうと言われた。


「御崎も心配してたよ。他の子と話すときいつも怯えているみたいなんだけど、どうしてかなーって」
「豊橋さんは人に慣れてないだけなんだよね」
「大丈夫。時間をかけて、ゆっくりと仲良くなろうね」


優しい言葉をかけられ、わたしは躊躇いがちに頷いた。
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