「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「美里……いつも言ってるだろ? 自分を大切にしろよ。どうしてそんなに自虐的なんだ」
俯いたことによって、額にかかった前髪をそっとすくわれる。
驚いて、身を捩って御崎の手から逃れようとする。
だけど御崎の目はわたしの目を射てはなさない。
「……っ、な、なにすん」
「大丈夫、自信をもって。美里はいい奴だから」
そのときのわたしは、いきなりのことに驚いて頭が真っ白になって。
それで御崎が消えるとかそういう考えも消えて、ちょっと浮かれていた。
だけどすぐにその幸せは、打ち壊された。