「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
as before

...1


目を開けると、そこは寂れた公園だった。
ブランコとジャングルジムが一つずつ、それからベンチが二つ。
そのうちの一つにわたしは腰掛けていた。


「……う、そ」


わたし、生きてる。
生きてしまっている。


命は、もう放り投げたはずなのに。


「……なんで」


あんなことしたの。
わたしは御崎を救いにいったのに。
何も変えることができずに、元の場所に戻ってきてしまった。


あ、あの人なら、もう一度、わたしを――


そう思い、急いで振り向く。
だけどそこには誰もいない。
狭い公園の中を、公園から出てその地域を探してみたけれど、あの男の人はいない。


力なく、ベンチに座り込む。
勢いよすぎたのか、お尻が痛い。
ずきずきと、痛んだ。


だけどそれよりも、胸の方が痛かった。
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