「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
よかった、けれど。
迷子のまま、独り知らぬ街をうろついて、ただひたすら雨に打たれ。
走り疲れて、飢えて、死ねばよかったのに。
駄目だ、わたし。
御崎がいないだけで、こんなに自虐的になってしまう。
ああ、
「……御崎」
空を見上げ、手を伸ばす。
真っ暗な空。
灰色の雲。
掴めもしないそれらに、手を伸ばした。
「なにが、したかったの」
こんなわたしを生かして、あなたはわたしに何を望んでいるの。
わたしはとっても弱くて、ばかで、人見知りが激しくて。
御崎がいないと、クラスにも馴染めないような人間なんだよ?