「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
御崎がわたしをちゃんとした人間にしてくれた。
御崎だけがわたしを構ってくれた。
そんな御崎が、もういない。
「御崎は馬鹿だよ。有り得ないほど馬鹿だよ……!」
アスファルトに手を叩きつける。
痛い。
叩きつけた手が、じんじんと傷んだ。
わたしなんて必要なかったのに。
御崎がいないというだけでこんな風になってしまうような奴なのに。
ごめんね、御崎。
わたしは御崎の期待になんて応えられない。
わたしは自分を大切になんかできない。
こんな自分、大嫌いだよ。