「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日
「……御崎」
思わず携帯電話を抱き締めた。
たまらなく愛おしくなって、だけどもう御崎はいなくて。
悲しさと愛おしさがわたしを襲う。
『あ、やべ、もう時間ないや。おっさんが厚意で少しだけ時間くれたんだ。今から美里のとこに、行こうと思う。それじゃ!』
ピースをして、あどけなさの残る笑顔で御崎がそう言うと、動画はとまった。
御崎はわたしを救ってくれた。
わたしの命を救ってくれた。
そして、それでもまだいじけ続けるわたしを励ましてくれた。
本当、わたしは御崎に頼ってばっかりだね。
だけどもうその御崎はいない。