俺の彼女が可愛すぎて困る。
「な、夏くん、おろしてっ!」
「ダメ。ハルはすぐに無理するから」
「無理って、何を」
何のことかさっぱりわからない。
何を言っても降ろしてくれない夏くんの胸をトントンと叩くけれど、そんなことは意味もなく連れてこられた保健室。
「なんで保健室……」
「なんだ、先生いないじゃん」
保健室には先生は不在で、もしかしたら外の本部にいるかもしれない。
「ちょっと待ってて」
そう言ってやっと降ろされたのは、白いベッドの上。
夏くんは、どこにあるんだと棚を開けて何かを探していた。
「ほら左足見せて?」
「左足?」
「リレー走ってる時挫いて痛いんじゃないの?」
夏くんが手に持ってきたのは、湿布と包帯。
「別に、大丈夫だよ!ほらっ……うっ」
大丈夫だとアピールしようと立ち上がって、飛び跳ねようとしたけれど、着地した途端ズキッと左足に痛みが走る。