俺の彼女が可愛すぎて困る。
「キス、してもいい?」
「なっ……!」
ただでさえ、リンゴのように赤く染まっていた頬が、熟すようにさらに赤みを増す。
「好きだよ、ハル」
サラッと私の髪を綺麗な指ですいて、優しく頭を撫でられる。
「ねぇ、早く俺のモノになって?」
「っ」
前髪をかき分けられたおでこに、キスをひとつ。
私は、綺麗な瞳で見る夏くんから、目が離せない。
おかしいよ。
おかしくなっちゃうよ。
なんでこんなにドキドキしてるの?
「ハル……このまま閉会式、サボっちゃおっか?」
「……それはっ」
「……っ」
足音が聞こえなかったら、私はなんて答えていたんだろう。