俺の彼女が可愛すぎて困る。



「そんな、夏くん!私が頼まれたものだし、いいよ」



「またぶつかってバラまいたら嫌だろ?」



「そうだけど……持たせちゃって、ごめんなさい」



拾うのも手伝ってもらっておいて、重いプリントまで持たせてしまっている。



それがなんだか申し訳なくて。



「ごめんじゃなくて、ありがとうって言ってほしいんだけどな、ハル」



「……っ」



不意打ちに名前を呼び捨てされて、ドキってする。



「ありがとうは?」



「あ、ありがとう」



「ん、よく出来ました」



そう言って、私に微笑みかけて……



この人は、なんだかずるい。



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