俺の彼女が可愛すぎて困る。




委員会の日と決められているからとりあえず開いたけれど、特に新しい連絡事項もないということで、すぐに図書委員会は終わった。



詩乃ももう帰ってるよね。



私も早く帰ろう。



ここにいたら、ほら……



「ハル、待って」



強く、でもとても優しく私の腕を掴んで引き止めた夏くん。



前にも、こうして引き止められたことがある気がする。



「何、夏くん」



名前を呼ばれてドキドキして、自分で夏くんの名前を呼んでドキドキする。



「ねぇ、座って?」



「……やだっ」



「じゃないとキスするよ?」



「……うぅ、ばかっ」



頑張って振りほどいて逃げれば、逃げられるはずなのにそうできない。



それはどこかできっと、夏くんと一緒にいたいって気持ちが隠れているから。



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