俺の彼女が可愛すぎて困る。
「じゃあ、こうしてもドキドキしない?」
キシっと机が音を立てる。
「夏、くんっ……」
背中には冷たい机の熱がひんやりと伝わって……
天井でいっぱいになるはずの視界は、私の姿を瞳に映した夏くんでいっぱい。
「可愛すぎるハルが悪いんだよ?」
とろけそうなその声に、何でも引き込んでしまいそうなその瞳に、私はそこから動けない。
「……んっ」
触れるだけのキスをして、夏くんはバッと腕で顔を隠して離れる。
「やっば……」
そんな小さな呟きは、私の耳には届かなかった。
「また明日」
そしてそのまま夏くんは、その場から動けずにいる私を置いて、図書室を出ていってしまった。
ずるいよ、夏くん。
私のファーストキスだよ。
夏くんのばかっ。