俺の彼女が可愛すぎて困る。



「ま、まだ電車じゃないの?」



『ちょっと前に降りてた。あまりにもハルが可愛くて意地悪してみた』



「夏くんのばかっ」



"大好き"と言われた余韻がまだ耳に残っていて、声にならない声が出る。



ばか、ばかっ。



私だって大好き。



意地悪するところは嫌い……だけど好き。



『可愛すぎ……今すぐキスしたい。なんで隣にいないの?』



「……っ、しなくていいもん!」



そんなの私の心臓がもたない。



体が熱すぎて、溶けてしまいそう。



さっきまで雨に打たれていたなんて思えないくらい心も体もぽかぽかしていた。



『無理。明日覚悟しといてね、ハル?』



「……ばか」



私の返事も聞かずに電話を切った夏くん。



私にイェスもノーも言わせないで……



本当にずるい。



その夜は、夏くんの言葉が頭をよぎって、なかなか寝付くことができなかった。




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