俺の彼女が可愛すぎて困る。
"キス"
その消えないふたつの文字を思い浮かべるたび、唇をぐっと噛んでしまう。
考えないなんて、無理だよ。
電話越しに囁かれた甘いセリフは、どうしたって消えてくれない。
「もしかして、キスしてくれるの待ってる?」
「……なっ、待ってないっ!!」
……!?
なんでバレちゃうの?
今度ばかりは声にも出していなかったはずなのに。
「顔真っ赤にしちゃって、可愛いねハル」
「そんなことないもん、ばか」
「まぁ、しちゃうけどね?可愛すぎるハルが悪い」
「……んっ」
夏くんのばかぁ……
そう思いつつ、幸せに感じてしまう私。
「ねぇ、ハル熱くない?」
「え?熱い……?」
私には何のことかさっぱりで、ただ首を傾げる。