俺の彼女が可愛すぎて困る。
「夏くん、そろそろ家に帰らなくて大丈夫?」
もう外は暗いから、長い時間家にいてくれていたはず。
「ハルがちゃんと薬を飲んだら帰る」
「え……」
「ハルのお母さんに頼まれてるんだよ。ちゃんと飲んだか確認してほしいって」
……お母さん。
そういうところはしっかりしてる。
そしてそのお願いを聞いちゃう夏くんも夏くんだ。
「ちゃんと飲むから、ね?もう帰っても大丈夫だよ?」
「やだ。そう言って薬飲まない気でしょ?」
夏くんに私の嘘は通用しないらしい。
私が企んでいたことがバレバレだ。
夏くんが部屋を出て行ったあと、こっそりと隠してしまおうと思ったのに。
「そんなに嫌なら俺が飲ませてあげようか?」
「……え?」