俺の彼女が可愛すぎて困る。
「夕日沈む前に一緒に写真撮ろうか」
「うん……わぁっ!」
いいよと答えようとしたのに、それより先に夏くんの腕が腰にまわって抱き寄せられる。
近い、近いよ、夏くん。
心臓がドキドキとうるさいけれど、幸せだ。
「いくよ、はいチーズ」
スマホがパシャリと音を立てて、夕日とそれが反射する海をバックに私たちが並ぶツーショット写真が画面に表示される。
ドキドキしすぎて、うまく笑えなかったけど……
すごく素敵な写真だ。
あとで夏くんに送ってもらおう。
そしてホーム画面にするんだ。
「そうだ、暗くなっちゃう前に砂浜にお絵かきしよ!」
「楽しそうだね、やろっか?」
図書室の黒板とは違って、どこまでも続く広い砂浜に大きくイラストを描く。
いつもとはまた違って、これはこれでとても楽しい。