俺の彼女が可愛すぎて困る。
夏くん、ドキドキしてください
ひとつだけ、ちょっとした悩み事がある。
「ねぇ詩乃?」
ずっと気になっていたこと。
「なにー?」
お昼休みにお弁当を食べながら詩乃に相談を持ちかける。
「なんで夏くんってあんなにいつも余裕そうなの?」
「へ?」
「だって、いつも私ばっかりドキドキしてるんだもん。私も夏くんのことドキドキさせたい」
そうなのだ。
私の今の悩み事。
それは私ばかりが毎日ドキドキさせられて、夏くんは全然そんな素振りを見せてくれない。
私だって夏くんのことを照れさせたい。
そのためには……
「どうしたらいいかなぁ?……って詩乃?」
私が問いかけると、なんとも言えない顔でこっちを見つめていた。
「ハルが可愛すぎて……っ」
はぁと溜息をつきながらも顔を手で覆う詩乃の方が絶対可愛いし、どの辺に可愛い要素があったのか全くわからないけど……
今はそうじゃない。