俺の彼女が可愛すぎて困る。



「ふふ、ハル顔真っ赤にして可愛すぎ」



「違うのっ」



違うんだよ。



やっぱりこれじゃ意味無いんだって。



「わたしばかり照れてずるい!」



「照れてるハル、可愛いよ?」



うぅ……



今日は負けないんだ。



今日こそは……!



「照れてよ、夏くんも照れて!」



夏くんの制服を掴んで前に立つ。



「ねぇ夏くん、どうしたら私にドキドキしてくれるの?」



「ドキドキね」



「……っ?」



そう呟いた夏くんは、ギュっと私を抱きしめた。



私の顔は、夏くんの胸の中。



「俺の胸に耳あててごらん?」



そっとあてた耳からは、ドクンドクンと早い鼓動が聞こえる。



「俺だってハルといたらドキドキするし、隣にいるだけで幸せだよ」



ほら、こんなに今もドキドキしてるんだからと、下から見上げた夏くんはニコッと笑った。


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