俺の彼女が可愛すぎて困る。
「ちょっと、その話詳しく教えてっ」
すっかり楽しんでいる詩乃は、もう私の話は聞いていない。
もう、私のバカぁ。
こうなってしまっては何も誤魔化せず、廊下でばったり会ったことから、帰りに家まで送ってくれたことを話した。
恥ずかしくて、おでこにキスされたことは秘密だけど。
「それ、その夏くんって人に惚れられたんじゃない?」
「惚れられた!?」
「うん、だってハル、可愛いし?」
「いや、そんなことないって……」
でも好きでもない人にキスしたり、好きなんて言うのかな。