俺の彼女が可愛すぎて困る。



1年A組の私は、一番前の右側。



一番出入口に近い席。



あんまり奥に入るよりいいかもしれない。



適当に話を聞いて、さっさと帰ろう。



そう心に決め、頬杖をついて目の前の黒板を見つめている時だった。



もうすぐ委員会が始まるという頃にガラッと開いた図書室のドア。



先生かと思って顔をそちらの方へ向けると……



「な、夏くん……?」



そこに立っていたのは、思ってもいなかった人。



まさか、こんなところで会うことになるなんて。



……そういえばさっき、私のこと見て笑ってた。



先生に頭をポンと軽く叩かれた私を見て、笑っていた夏くん。



思い出して少しムッとする。


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