俺の彼女が可愛すぎて困る。
安心したのも束の間で、詩乃に上手く切り返されて、話題の矛先は私の元へ。
「えっ、私?いないよー。でも高校生になったし、恋の一つや二つはしたいなぁ」
「ハルなら可愛いから、すぐできるよ」
「あのねぇ、いつも言ってるけど私のどこが可愛いの?可愛いのは詩乃っ!」
「そろそろ自覚しなさいよ、もう。私なんてハルの足元にも及ばないから」
「それはこっちのセリフだよー」
そんなやり取りは日常茶飯事。
でも、本当に……
たった3年間しかない高校生活。
高校生の本業は勉強なのかもしれないけど、やっぱり恋くらいはしてみたいよね。
楽しく過ごせますように、と胸の中で祈りながら、最後のミニトマトを口に入れた。