俺の彼女が可愛すぎて困る。



「ありがと、ハル」



私が折れた途端、ニコニコと嬉しそうにする夏くんは、私がこうなることをわかっていたかのようで……



絶対確信犯だ。



私の気持ちばかりかき乱して、本当にずるい。



もうすっかり周りには人がいなくなって、図書室には私と夏くんのふたりきり。



なんで私、こんなにドキドキしてるんだろう。



静かな図書室だからこそ、胸の鼓動が大きく聞こえる。



そんな自分の鼓動を聞くだけで、恥ずかしくなってくる。



あ、そうだ……



すっかり忘れてたけど、夏くんに昨日のお礼にってチョコレート買ってあったんだ。



今日は会えないかもってずっとカバンの中に閉まっておいた。


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