俺の彼女が可愛すぎて困る。
「……へっ」
恥ずかしくなって、一気に体温が上がる。
嘘だ……
夏くん、全然そんな素振り見せてないし、目もあってないのに。
隣の教室に夏くんの姿を見つけて、先生によそ見しているのが見つかって図書委員に指名されて、私が夏くんにバカにされた日からだいぶ経っている。
もちろん、その間に席替えだってあったわけだけど、くじ引きで席を決めたら、また私は廊下側の席だった。
前よりも後ろに下がって、さらに隣の教室の様子も見えるようになった。
ただの同じ図書委員。
ただ同じ高校に通う、同じ学年の男の子。
なのに、なんでこんなに気になってしまうんだろう。
暇な授業の時間は、いつもノートの端っこにラクガキをしていたのに、いつの間にか隣の教室に目を向けるのが日課になってしまっていた。