俺の彼女が可愛すぎて困る。



「そんなに俺のこと好き?」



「は、はぁっ?……うっ」



恥ずかしくて目を合わせないようにと下を向いていたのに、本を戻しに行っていたはずの夏くんがカウンター越しに私の顔を覗いてくる。



びっくりして顔を上げると、目の前にどアップの夏くんが映って、さらに私の体が熱を帯びる。



「ねぇ、ハル。好き……?」



なっ……



そんな甘い声で囁かないで。



首を傾げながら、綺麗な瞳で見つめてくる夏くんに、ドキドキが止まらない。



「そんなこと、ない……し」



「俺はハルのこと好きだよ?」



また夏くんは、恥ずかしいことをサラッと言ってしまう。



「ばかっ……」



本当に、夏くんのバカ。



いつもいつも、私ばかりドキドキさせられて。



余裕そうなのが、ムカつく。



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