俺の彼女が可愛すぎて困る。




───キーンコーンカーンコーン



そんなタイミングで鳴った、予鈴。



もう昼休みも終わり。



もちろん図書委員の仕事も終わり。



今日もほとんど人は来なかった。



「じゅ、授業始まるから戻るっ」



「ねぇ、待って?忘れ物……」



「……っ」



「じゃあね」



……バカ。



予鈴を理由にして逃げようとしたのに、あっという間に夏くんに捕まって……



忘れ物と言って夏くんがして行ったのは、おでこへのキス。



お陰様で私の頬は真っ赤に染まってる。



ずるいんだよ、夏くんは。



教室に戻って変に思われないように、早く熱が冷めろと顔をパタパタと扇ぎながら図書室を出た。



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