俺の彼女が可愛すぎて困る。



「あれ?顔赤いけど……さては夏くんとなんかあったなっ」



このこのっと詩乃に肘でツンツンとされて、図星な私はさらに胸がドキドキと波を打つ。



「ちょっと、言ってみなさいよ」



とっても気になるようで、ニコニコしながら聞いてくる。



「その……おでこにキっ……」



「キ……?」



「……キ、」



恥ずかしくて、"ス"がなかなか出てこない。



そうしているうちに、詩乃は感づいたようで。



「ははぁーん、夏くんやるねぇ」



全てを察したらしい詩乃は、隣の教室と私を交互に見て不敵な笑みを浮かべてた。



「これからの進展が楽しみよ」



詩乃が何を期待しているのかはよくわからなかったけど……



ここで本鈴が鳴って、先生が教室に入ってきたから、話は打ち切りになった。



とりあえず変なことは起きませんようにと心の中で祈った。



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