俺の彼女が可愛すぎて困る。




自己満足で、ただの趣味として描いてきたイラストだし、今までだってたまたま詩乃に見られてしまったこと以外で他人に見せたことなんてない。



それが夏くんに見られてしまって……



詩乃の時もそうだったけど、たとえお世辞でも褒めてくれて嫌な気は全然しなくて、むしろすごく嬉しかった。



「……ありがとう」



「どういたしまして。あ、今度俺のこと描いてよ」



「え?」



「俺はハルにどう見えてるのかなぁって」



そう言う夏くんは、クリスマスプレゼントを待つ子どもみたいに無邪気な笑顔を浮かべていて、断ることなんてできなかった。



「わかった、いつか描くね?」



「やった、ありがとうハル」



ポンポンっと頭を撫でられて、触れたところがまた熱くなる。



心臓だってドキドキうるさいし……



どうか、夏くんにはバレていませんように。



< 62 / 300 >

この作品をシェア

pagetop