俺の彼女が可愛すぎて困る。
「うん、そうだね。だからはい。罰として俺の携帯番号教えてあげる」
密かに用意しておいたノートの切れ端に書いたそれ。
「夏休み中、寂しくなったら電話してよ。いつでも俺が相手するからさっ」
うそ。
本当は、俺が相手して欲しいだけ。
まわりくどいよな。
「……本当にバカっ」
「そんな俺のこと、好きでしょ?ハールちゃん?」
「あれ?いつもみたいに否定しないなんて、本当に俺のこと好きになっちゃった?」
「……違うもん。否定するの忘れてただけ」
「忘れてたって、本当に可愛すぎ」
このあとすぐ、俺はハルの連絡先を聞いておかなかったことに後悔することになった。